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仏教の教え、法衣で熱唱 “坊さんバンド”19日にコンサート

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67-5.gif名古屋市中区と熱田区の僧侶たちが、仏教の教えを音楽に乗せて広めようと“坊さんバンド”を結成。オリジナルソングのCDを発売したり、個人宅に出向いて演奏したりと、活動の幅を広げている。19日には、願入寺(熱田区幡野町)で開かれるコンサートに出演し、市民に歌声を届ける。

 本堂から聞こえるのはロック調のバラード。直前の練習で、黒い法衣姿の4人がギターソロに続いて熱唱した。♪知らず知らずに輝いてた あなたが生きたこのいのちよく通る声。「普段お経読んでますから。全員坊さんというのが一番の特徴」。作曲とメーンギターを担当する楽運寺(中区大須)の住職佐々木賢祐さん(34)が笑った。

 結成のきっかけは、3月に真宗大谷派名古屋別院(東別院)であった親鸞聖人750回御遠忌に向けた行事。ライブをすることになり、地域の寺からメンバーを集めた。

 親子に近い年齢差。フォークなどジャンルや経験年数もさまざまだったが「練習を重ねるうちに乗り越えた」と佐々木さん。親鸞への思いをつづる「いのちの輝き」を披露し、会場を沸かせた。

 いったん解散したが「G・ぷんだりーか」の名前で再結成し、CDも発売。最後に♪ナ~ムア~ミダブ と繰り返す、今昔物語が主題の「念仏ブギ」も収録した。「自然と声や手拍子が出る。やりたいと思っていた曲」と作詞、ギター担当の淳徳寺(熱田区旗屋)住職伊藤修さん(60)。

 専門誌などに紹介され、出演依頼が舞い込むように。ウッドベースの仏声寺(中区大須)住職寺西伊久夫さん(58)は個人宅のライブで法話を担当。「いつもと聞き方が違った」と音楽が人を引きつける力を実感した。

 通夜などが入るため練習に全員がそろうのはまれ。バンド未経験ながら、自宅で練習し急成長したのはキーボードの善正寺(中区伊勢山)副住職加藤一尊さん(37)。「仏教は人間学。関心を持つ機会になれば」と期待する。

 「寺で待たず、どんどん出向きたい」と佐々木さん。「後輩へと続き、ほかにも動きが出てくるといい」と願っている。

 願入寺のコンサートは午後6時15分から。ポルトガル音楽の演奏もある。参加費はドリンク付きで500円(中学生以下無料)。(問)楽運寺=電(241)3396

小中寿美 より

中日新聞 から


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