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曼荼羅の世界を彫刻で 伊賀の服部さん

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8年半がかりで仕上げた、彫刻による「両界曼荼羅」=伊賀市槙山で
8年半がかりで仕上げた、彫刻による「両界曼荼羅」=伊賀市槙山で
 伊賀市槙山(まきやま)、仏師服部俊慶さん(66)が、仏教の世界観を象徴する「曼荼羅(まんだら)」を表現した彫刻作品を完成させた。八年半がかりの大作。六月一日に依頼先の滋賀県甲賀市水口町の泉福寺に納める。

 作品名は「両界曼荼羅」。密教の教えで、宇宙の真理を表す「金剛界」と、母のような慈愛を表す「胎蔵界」の二枚一組で構成する。

 服部さんは泉福寺の注文を受け、二〇〇四年秋から県内外の弟子ら十四人と協力して制作を始めた。一枚縦三・八メートル横三・三メートル。大日如来を中心にそれぞれ千四百六十一、四百十四体の仏像を配置している。仏像は、ヒノキやカヤを削り、漆を塗って泥絵の具で極彩色に仕上げている。

 小学生のころから、仏像に興味があったという服部さん。伊賀市の上野高校在学中、京都仏像彫刻研究所に入門し、一九七六年に独立した。これまでに浄土宗総本山の知恩院(京都市東山区)の法然上人像など数々の木像を手掛け、彫刻による曼荼羅の制作は今回が六回目。

 服部さんは「長年精いっぱい取り組み、出来には納得している」と話す。泉福寺に搬入後、二週間かけて本堂の壁に飾られる。

(山田雄之)

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