(中国通信=東京)南京1日発新華社電によると、江蘇省連雲港市の孔望山仏教摩崖石刻像から銘文が見つかり、摩崖像が彫られた年代が西暦61年と確認され、これまで考えられていたより100年余りさかのぼることとなった。これについて専門家は仏教がインドで誕生し、その後、西暦の初めに海から中国に伝わった可能性のあることを示していると指摘した。
孔望山摩崖像は1979年に見つかったもので、横17メートル、高さ8メートルの崖に100体余りの人の像が刻まれている。発見当初、専門家は後漢の桓帝、霊帝の時代のものと推測し、西暦336年につくられた敦煌の莫高窟より200年早く、それまでに見つった最も古い仏教摩崖像とした。1988年には国務院から国家級重点保護文物に指定された。
中国文物研究所石窟研究室副主任で上級技師の賈瑞広氏が近年、孔望山摩崖像群の東70メートルのところにあるゾウを彫った大型の円形の石像を何度も調査したところ、前足の内側に隷書で縦に文字が刻まれているのを見つけた。風化などで判別が難しかったが、なんとか「永平四年」と確認した。
「永平」は後漢の第2代皇帝、明帝劉荘の年号で、「永平四年」は西暦61年にあたり、桓帝、霊帝の時代より127年前となる。
賈氏は次のようにみている。孔望山摩崖像は現在のところ中国最古の仏教摩崖像で、ゾウの石像は仏教摩崖像と不可分、一体であり、同時代に彫られ、摩崖像群と互いに関係している。ゾウの石像の足に蓮が彫刻され、釈迦の「乗象入胎」の内容が表現され、摩崖像の「捨身飼虎」、「涅槃図」などの仏教説話とともに、仏教が中国に伝来し、仏教と道教が交わった様子などが示されている。
china-news.co.jp/culture から 2005.10.03