仙台市青葉区立町のフリースクール「課外塾」(伊藤由美子代表)が小中学生を対象に、仏教の講話や粘土地蔵づくり、黙想によるユニークな授業を始める。僧侶らとの交流を通じて、子どもたちに不足しているとされる言語理解力や集中力を養うのが狙いだ。
課外塾は2002年の設立。民家を借りて、悩みを抱えた若者を中心に社会の常識やマナーなどを教え、進学・就職を含めた人生相談に応じてきた。復学や社会復帰した生徒も多く、現在は16歳〜40歳の8人が通塾している。
今回の企画は、通塾当初の生徒らの印象がきっかけ。「他人に通用しない言葉や言い回しを使ったり、こちらが話しかけても返す言葉を見いだせなかったりする子が多かった」と、伊藤代表は振り返る。
学校現場でも近年、リポートや発表などの言語活動に力を入れ、コミュニケーション能力や読解力の育成を図る取り組みが目立つ。こうした現状も踏まえ、以前から交流のあった僧侶斎藤無冥(むみょう)さん(45)=青葉区=の協力を得て、仏教を活用した授業を実施することにした。
対象は小学4年から中学3年程度まで。平日の午後4〜6時、斎藤さんの講話や課外塾スタッフとの会話のほか、斎藤さんの指導による粘土地蔵づくりや黙想を行う。
斎藤さんは出家前、農業や会社経営、実子との死別、離婚などを経験した。毎週木曜夕には、同じような悩みを抱えた保護者ら大人向けに、斎藤さんとの会話や相談の場も設ける。
伊藤代表は「ふだん接点のない僧侶らとの交流は、新鮮な発見や学びにつながるはず。気軽に体験してほしい」と話している。月謝や授業時間などの連絡先は課外塾022(267)6308。
中日新聞 から
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