ホーム 仏教のスペース Espace Enfants 遠山玄龍さん:上行寺住職「子供たちの笑顔見たい」 広がるラオス校舎建設 

遠山玄龍さん:上行寺住職「子供たちの笑顔見たい」 広がるラオス校舎建設 

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大多喜町の上行寺住職、遠山玄龍さん(68)は、ラオスの子供たちのために校舎や寄宿舎を建設する活動をしている。喜びで目を輝かせる異国の子供の姿に突き動かされ、16年間で小中学校4校、寄宿舎2棟の建設にかかわった。活動に共鳴して支援の輪も広がっており、遠山さんは「活動は一生続けていきたい」と話している。【橋本利昭】

 遠山さんは93年、宗派を超えて国際貢献をする「BAC仏教救援センター」(静岡市)の活動を聞く機会があり、財政問題などで教育水準の低いラオスの現状を知って翌年から募金活動を始めた。檀家(だんか)の法事で話をしたり、僧侶仲間に呼びかけ、8年かけて約280万円を集めた。現地の事情に精通するBACを通して、ラオス南部サバナケット県シーサワン村の小学校に200人以上が学べる校舎を建設。ヤシの木をかぶせた掘っ立て小屋のような校舎は、トタン屋根でレンガ造りのきれいな学舎に生まれ変わり、引き渡し式では約400人の村人が遠山さんと支援者を笑顔と拍手で出迎えたという。

 遠山さんはその際、資金不足で工事が中断中の別の小学校も視察した。「また子供の笑顔を見たい」と完成を決意して帰国後募金を再開。2年後150万円で校舎の屋根や壁を補修して完成させた。その後、遠山さんの活動に賛同した船橋中央ライオンズクラブのメンバーが240万円の建設資金を出したり、12歳の子供を亡くした家族が寄宿舎建設で寄付して現地を訪れるなど活動に理解を示す人たちも増え、上行寺別院がある船橋市の関係者にも善意の輪が広がっている。また、遠山さんは中国で身寄りのない子供を育てている中国人教師への資金提供なども昨年から始め、支援範囲も拡大している。

 遠山さんは「ラオスは日本に好意的ですが、世界から忘れられた国で支援する国やNPOも少ない」と強調。「私は小学4年の時、年下の友達を川遊びで亡くした。今でも助けられなかった罪悪感があり、頭の良かった友達のためにも、貧しいラオスで校舎を建ててあげたい。言葉は通じなくても心は通いあえる。何よりも子供の笑顔を見るのはうれしい」と話している。

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毎日新聞 より【関連記事】

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