ホーム 仏教のスペース Bouddhisme 聖武天皇も着た?袈裟再現

聖武天皇も着た?袈裟再現

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微妙な色合い、忠実に復元模造品

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 正倉院宝物のひとつで、聖武天皇(701〜756)が身につけた可能性もある「七条織成樹皮色袈裟(しちじょうしょくせいじゅひしょくのけさ)」の復元模造品が完成した。宮内庁正倉院事務所が22日、報道陣に公開した。微妙な色合いの変化を忠実に再現するため、絹の色糸を慎重により合わせて織り上げたという。

 聖武天皇が亡くなった時に光明皇后(701〜760)が東大寺大仏に納めた遺愛品のひとつで、献納品リストである「国家珍宝帳」の最初に記されている。袈裟は僧侶が身につけるものだが、仏教に帰依して鑑真和上(688〜763)から受戒した天皇が着用したとも考えられている。紺や緑など10色の糸から2〜3種類を選んでより、不規則なまだら模様に織ってある。

 復元品は縦137センチ、横243センチ。龍村美術織物(京都市)が制作を担当。実物の織り方が複雑なため、どの場所にどんな色の糸が使われているかを、拡大撮影した画像などから調べ、糸のより方などに注意してできる限り忠実に再現したという。

 絹糸は、皇后さまが皇居内で育てた在来種の蚕「小石丸」から採取した。赤色の染色には、天皇、皇后両陛下が皇居散策中に見つけた日本茜(あかね)の根が使われた。

朝日新聞 から

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