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インド・バット女史に庭野平和賞

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経済発展めざましいとはいえ、インドにおける「貧困」「格差」問題は深刻だ。

 エラ・バットさん(76)は、カースト制度の底辺であえぐ女性たちに、経済的自立を促すことに人生をささげてきた。

 1972年に「自営女性労働者協会(SEWA)」を組織。露天商や内職などで生計を立てる貧しい女性の生活向上のため、銀行が相手にしない1日に何十円単位の貯蓄・融資制度や、教育、育児制度を整えた。

01-49.gif 貯蓄は生活の安定につながる。融資はミシンなど内職道具の購入に役立つ。今ではインド全域で約300万人の女性がSEWAを利用している。

 バットさんは「仕事を持っていると、人は未来を考えるだけでなく、未来の設計図を描くことも可能になります。仕事は平和を築きます」と話す。

 SEWAの本部があるのは、西インドのアーメダバード。ガンジーが「非暴力」に基づいて独立運動を展開した場所だ。

 SEWAの活動も、ガンジー哲学を色濃く反映している。「私たちが求めるのは自立と自由。ガンジーが言うように自由は与えられるものではない。私たち一人一人が生み出すものです」

 そんな宗教的精神を宿らせる活動ぶりが第27回庭野平和賞の受賞対象となった。

 仏教、キリスト教など日本の宗教界のリーダー約150人が集まった授賞式。平和財団の庭野日鑛(にちこう)総裁(立正佼成会会長)はバットさんをたたえると同時に、「日本人は恵まれた環境にいながら、感謝どころか、不平不満を募らせている。真の意味での『自立』を目指さねばならない」と自らを省みた。

 経済大国ながら、「貧困」「格差」問題に直面している日本。バットさんの精神に学ぶべき点は多そうだ。

赤堀正卓  より

sankei.jp.msn.com から

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