勝利は仏様のご加護のおかげ? サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で日本がカメルーンを破った瞬間、山形県米沢市中央5丁目、西蓮寺本堂に「ニッポン」コールが響き渡った。14日深夜、はるか南アの日本代表に熱い思いを送ろうと、本堂内でパブリックビューイング(PV)が開かれ、サポーター約50人が観戦した。
同寺の副住職でサッカー好きの伊藤竜信さん(36)が「みんなでW杯を楽しもう」と計画。モンテディオ山形のサポーターで、PVの開催経験のある同市春日2丁目、会社員菅野貴志さん(34)とともに準備を進めた。
本尊の前に張られた白い幕は葬儀店から借り、プロジェクターやアンプは読経用に寺にあったものを使うことにした。伊藤さんが警察や消防、PV事務局への申請を担い、パソコンでチラシ600枚を作成。これを菅野さんがスーパー前などで配った。伊藤さんは自分のホームページに案内も載せた。スタッフは菅野さんのサポーター仲間に依頼した。
金色の天蓋(てんがい)や瓔珞(ようらく)が天井からぶら下がった本堂は、詰めれば200人が座れる広さ。受け付け開始時間の午後10時から日本代表と同じ青いユニホーム姿の若者や幼児を抱えた男女らが次々に訪れた。
消灯して真っ暗な本堂内で、サポーターたちは画面を見ながら拍手と「ニッポン」コールで応援。高畠町から来た会社員青木瑶子さん(23)は「お寺でPVなんて、日本らしくていいわ」。ネットで知ったという米沢市の会社員安斉正さん(45)は「みんなで楽しむのもいいですね」。
試合後、伊藤さんは「こんな気持ちをみんなで味わえて最高です。やってよかった」と興奮気味に話していた。
19日午後8時半からのオランダ戦、25日午前3時半からのデンマーク戦でもPVを予定。両試合とも開始1時間前から入場を受け付ける。
内藤文晴 より
朝日新聞 から