奈良市中院町の元興寺総合収蔵庫で、平城遷都1300年を記念した企画展「元興寺コレクション 泰圓・泰善二代の軌跡」が開かれている。先々代住職の故・辻村泰圓さんと、二男で住職の泰善さん(58)が収集した品などを展示。半世紀の同寺の歴史をたどる内容になっている。31日まで。
元興寺は奈良時代には広大な伽藍(がらん)を誇ったが、平安時代以降に衰退した。昭和初期に住職となった泰圓さんが境内の整備を進め、98年には世界遺産に登録された。
泰圓さんは仏教を通じてスリランカやインド、ネパールなどアジア各国との交流を始めた。また、保育園や特別養護老人ホームを設立するなど、福祉事業にも尽力した。同展では、その交流の中でもたらされたアジアの仏像、仏具など約300点を展示。民間の信仰の様子を伝える日本各地の寺社のお札なども展示する。
午前9時から午後4時半。大人400円、中高生300円、小学生100円で観賞できる。問い合わせは同寺文化財研究所(0742・23・1376)。
花澤茂人 より
毎日新聞 から