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中国茶の歴史(一)

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tea1-p1.gif茶樹自体の発生はいつ頃かというと中国雲南省で6〜7千年前から。お茶と人類の出会いは伝説の時代から始まります。

紀元前2700年ごろ神農という農業の神様と言われる伝説上の人物が解毒のためにお茶を飲み始めたという話から始まります。『神農』はさまざまな野草や樹木を口にして人間の口に合うものを探して巡り歩き毒にあたってはお茶で解毒していたそうです。神農はお茶の葉が偶然にお湯に入ってしまったのでそれを飲んでみると香りよく渇いたのどが潤されたことからお茶が発見されたと言われています。

神農という人物が実在したかは不明ですが、この伝説からわかることは紀元前数千年前からある部族が茶樹のあった中国西南地方に住んでいてお茶を飲んでいたのではないかと考えられています

お茶の飲用の歴史のスタートは「茶葉をそのまま湯で煮て飲む」方法でした。最初から発酵させたり酸化を止めたりという複雑なプロセスは生み出されておらず、考えられる中で最もシンプルな方法からお茶ははじまったというわけです。今でも中国西南地区の民族の中には茶葉とお米でお粥をつくる習慣があるそうです。

漢の時代(紀元前200年〜220年)最古の薬学専門書とされているtea1-p2.gif『神農本草経』にもお茶のことが書かれていました。その他に記録に残っているお茶の話として有名なものは前漢時代の『僮約』という主人と下僕との間の誓約書の話。「茶を煮る」「武陽で茶を買う」などの文章が見られ、お茶が生活の中に生きていたことがわかります。

最初は食糧として用いられていたお茶がいつから飲み物となったのか定かではありませんが三国時代(220年〜265年)の資料には茶葉を餅状に固めて形成して保存し、これを飲んでいたことがわかります。この「固めたお茶」は明の時代に葉茶が主流に取って代わるまでお茶の常識のようなものでした。固めたお茶は保存しやすく、遠くへ持ち運びしやすいため交易や献上品として使いやすかったからです。

土屋祐子さん より




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