8月に比叡山延暦寺(大津市)の根本中堂で行われる恒例のライトアップの一部に、成安造形大(同)の学生たちが考案したオブジェの照明が使用される。琵琶湖のヨシを使用し、「環境」を意識した作品が根本中堂の中庭を飾る。
同大学で住環境デザインを学ぶ2~4年の16人が取り組んでいる。「みのりの庭」がテーマで、中庭(南北約36メートル、東西約14メートル)にヨシを組み合わせて作った高さ約5メートルの塔を二つ建て、花びらをイメージしたオブジェを複数配置する。オブジェの内側に電球を入れて照明にする。
指導している磯野英生教授によると、庭を仏教でいう清浄な世界の「浄土」の空間に見立て、二つの塔がお盆の時期に精霊を迎え、花びらのオブジェはハスの花をイメージしたという。
3年前に滋賀県で開かれた「全国豊かな海づくり大会」の際、大津市浜大津で同大学の学生が作った造形物を覚えていた延暦寺参拝部長の僧侶山本光賢さんが、延暦寺でも同様のことができないかと、今年5月に大学側に打診。賛同した学生たちが5月下旬から準備を始め7月21日には中庭の20分の1の模型を持参し、山本さんを前にプレゼンテーションを行った。
同大学3年の古谷昌典さん(20)=京都市上京区=は「最初はパーツだったが空間として見られるようになってきた」と満足そうだった。
学生たちは8月9日の試験点灯に向けて急ピッチでオブジェ作りを進める。ライトアップは8月11~15日の夕暮れから午後9時まで。
京都新聞 から