蛍光灯で全体を照らしていた照明をスポットライトに一新したほか、展示台も入れ替えた。仏像の表情が浮き出るよう、光の角度が調整されている。収蔵庫に眠ったままだった仏像も、順に公開して行く方針だ。
法華堂の金剛力士立像は天平期を代表する巨像の一つで、堂外での展示は初めて。阿吽(あうん)の2体が並べて展示される。
収蔵庫から久しぶりに出陳される仏像も多く、歓喜寺の阿弥陀如来坐像もその一つ。平城天皇の皇子、高丘親王が開いた超昇寺(明治時代に廃寺)に伝わり、創建時に造られた可能性が高いという。
20日は、湯山賢一館長と同館の文化大使に任命されている広瀬郁実さん(仏像ガール)が入り口横の銘板を除幕。報道関係者に内部が公開された。湯山館長は「仏像文化の発信拠点として生まれ変わった。多くの仏像に出会っていただきたい」とあいさつした。
銘板の文字は「なら」が平安時代の仏教説話集「三宝絵詞(ことば)」、「仏像館」は聖武天皇直筆の「雑集」から選んだ。
同館本館(重要文化財)は明治27年に完成。近年は仏教美術の“殿堂”として親しまれてきた。
特別展「至宝の仏像」は9月26日まで。東新館では特別展「仏像修理100年」も同時に開幕。観覧料は両展共通で一般1000円、高校・大学生700円。問い合わせはハローダイヤル、050(5542)8600。
奈良新聞 から