なるほドリ 東大寺の法華堂が修理されるって聞いたけれど、どんなお堂なの?
記者 歴史ある東大寺の中でも特に古いお堂で、国宝に指定されています。「正堂」と「礼堂」の二つの部分からできていて、正堂は奈良時代、礼堂は鎌倉時代にできたとされています。周辺には、幼くして亡くなった聖武天皇の皇太子の菩提(ぼだい)を弔うためのお寺があったとされていて、それが後に発展して東大寺になります。東大寺発祥の地とも言えますね。
Q そんなに古いんだね。どんな仏像がまつられているの?
A 本尊は高さ3・5メートルを超える大きな不空羂索(けんさく)観音(国宝)で、他にも伝日光菩薩(ぼさつ)像、伝月光(がっこう)菩薩像(いずれも国宝)など奈良時代の貴重な仏像などが16体並びます。
Q 今回の修理では建物全部を直すの?
A 仏像が置かれている「須弥壇(しゅみだん)」という壇の修理が中心です。シロアリなどの影響で弱ってしまい、下からジャッキで支えてなんとか安定している状態だったんです。
Q 上にある仏像はどうするの?
A 順番にお堂から運び出して、奈良国立博物館にある修理所で修理します。6月に四天王立像(国宝)のうちの2体が運び出され、今月には残り2体と金剛力士立像(国宝)が運び出される予定です。
Q 修理はいつ終わるの?
A 予定では3年間、2012年末までの計画ですが、修理の状況によってはもっと後になる可能性もあります。
Q じゃあしばらくお参りできないんだね。残念。
A 拝観は8月1日から再開します。しかし以前のように多くの仏像が壇上に勢ぞろいしているわけではなく、7体だけを壇から下ろして並べ、礼堂から拝観します。同博物館本館が「なら仏像館」にリニューアルされるのを記念して、今月21日からは金剛力士立像が特別に展示されます。お堂とは違った表情が見られるかも知れませんよ。
<回答・花澤茂人(奈良支局)>
毎日jp から