新湊博物館
射水市内の寺院文化を紹介する企画展「御仏(みほとけ)とお寺」が、射水市新湊博物館で開かれている。布教に大きな役割を果たしたとされる「漢字かな交じり」の文書など、同館の調査で見つかった資料を紹介している。八月二十九日まで。(中村真暁)
展示されているのは、市内の寺院などに伝わる仏像や掛け軸三十点。中でも、浄土真宗本山の本願寺実如が、十六世紀前半に父蓮如の教えを広めるため全国の信徒にあてた「お文」は、同博物館の調査により、同市朴木の覚円寺で五月に見つかったばかりの新資料。
漢字仮名交じりで書かれ、漢字には振り仮名も添えられている。西教寺(富山市金屋)住職の金龍教英(きんりゅうきょうえい)さん(63)は「民衆でも読むことができるため、広く布教することに役立った。残存する物が少なく県内でも珍しい」とする。
このほか、県指定文化財「木造阿弥陀(あみだ)如来座像」は、所蔵する福王寺(射水市加茂中部)以外では初公開。高さ八十センチで、一本のスギ材をくりぬく手法で作られた仏像だ。
同博物館によると、市内全百六十一寺のうち、九一寺が浄土真宗で、同宗派は射水周辺の文化に強い影響を与えてきた。学芸員の松山充宏主任は「世代を越えて語り継がれてきた県内でも特に珍しい仏教文化を紹介する」と来場を呼び掛ける。
「木造阿弥陀如来座像」のみ、展示は七月十九日まで。火曜は休館。入館料大人三百円、六十五歳以上百五十円、中学生以下無料。問い合わせは射水市新湊博物館=電0766(83)0800=へ。
中日新聞 から