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自然保護祈り知床で例祭 立松和平氏しのぶ

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7-3.gif2005年に世界自然遺産に登録された知床半島に立つ知床毘沙門(びしゃもん)堂など三堂の第16回例祭が27日、北海道斜里町で開かれた。京都仏教会の有馬頼底理事長、奈良・法隆寺の大野玄妙管長ら宗派を超えた宗教家、経済人、地元住民ら約400人が参加。自然保護や平和を祈るとともに、毘沙門堂建立に尽力し、今年2月に急逝した作家の立松和平氏をしのんだ。

有馬理事長は法話の中で、知床の雄大で豊かな自然をこれからも守り続ける必要性を訴えるとともに、知床の世界遺産登録に力を尽くした立松氏について言及。「亡くなっても彼の魂は地上に、知床の地に残っている。信念と行動の作家だった彼の遺志を継いでいきたい」と強調した。

 大野管長は自然保護とともに、平和の尊さを強調。「社会は混迷し、混沌(こんとん)としている。それぞれが目標を持ち、計画を立て、仲間を持つことで、調和された世の中に向かっていくと信じている」と語り、和の大切さを説いた。

 また例祭では立松氏の死を悼み、斜里町内にある知床毘沙門堂に隣接して記念慰霊碑を建てた。

 例祭に先立つ26日には立松氏をしのぶ会が町内のホテルで開かれた。長年の友人である斜里町の佐野博さんは「世界遺産への道筋は、あなたがつけてくれた。みんなはそれに乗っかっただけ。あなたとの思い出は語り尽くせない」と語り、知床の大地を守り続けることを声高に誓った。

 例祭は立松氏が「昔あった神社を復活して心の支えにしたい」という地元の人たちの声を聞いて宗教者に相談。1995年に毘沙門堂を造ったのがきっかけで始まり、今年で16回目を迎えた。

日本経済新聞 から

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