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明治の哲学者・フェノロサの人物像を紹介

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115896.gif奈良市上三条町の浄教寺で、明治時代に来日した米国人哲学者で東洋美術史家のフェノロサ(1853~1908)に関する特別講話があった。島田和麿前住職と奈良国立博物館の西山厚学芸部長が講演。奈良の仏教美術の素晴らしさを訴えたフェノロサの人物像を紹介した。

 フェノロサは1878年に「お雇い外国人」として東京大に着任。奈良の仏像を高く評価し、1888年6月5日に同寺で「奈良の諸君に告ぐ」と題して講演。「奈良の古物を保存護持するの大任は即(すなわ)ち奈良諸君のよろしく尽くすべき義務にして、また奈良諸君の大いなる栄誉なり」と訴えた。

 島田さんは、キリスト教徒だったフェノロサが日本で仏教に傾倒していったことを紹介し、「明治期の混乱で滅びたかもしれない仏教を救ってくれたフェノロサに感謝している」と話した。

 西山さんは、法隆寺の救世(くせ)観音像(国宝)などの仏像をフェノロサが「ギリシア彫刻に匹敵する」と評価していたと説明。「奈良の人が奈良にあるものの素晴らしさを知ることが大事。それは122年前も今も変わらない」と強調した。 

花澤茂人 より

毎日新聞 から

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