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ダンマパダ・第26章・415-423・最終

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ダンマパダ


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第26章・415-423

415 この世の欲望を断ち切り、出家して遍歴し、欲望の生活の尽きた人、—かれをわれは<バラモン>と呼ぶ。

416 この世の愛執を断ち切り、出家して遍歴し、愛執の生存の尽きた人、—かれをわれは<バラモン>と呼ぶ。

417 人間の絆を捨て、天界の絆を越え、すべての絆をはなれた人、—かれをわれは<バラモン>と呼ぶ。

418 <快楽>と<不快>とを捨て、清らかに涼しく、とらわれることなく、全世界にうち勝った英雄、—かれをわれは<バラモン>と呼ぶ。

419 生きとし生ける者の死生をすべて知り、執著なく、よく行きし人、覚った人、—かれをわれは<バラモン>と呼ぶ。

420 神々も天の伎楽神(ガンダルヴァ)たちも人間もその行方を知り得ない人、煩悩の汚れを滅ぼしつくした真人、—かれをわれは<バラモン>と呼ぶ。

421 前にも、後にも、中間にも、一物をも所有せず、無一物で、何ものをも執著して取りおさえることの無い人、—かれをわれは<バラモン>と呼ぶ。

422 牡牛のように雄々しく、気高く、英雄・大仙人・勝利者・欲望の無い人・沐浴者・覚った人(ブッダ)、—かれをわれは<バラモン>と呼ぶ。

423 前世の生涯を知り、また天上と地獄とを見、生存を滅ぼしつくすに至って、直観智を完成した聖者、完成すべきことをすべて完成した人、—かれをわれは<バラモン>と呼ぶ。

岩波文庫「ブッダの真理のことば 感興のことば」中村元訳より

英俊・解釈コメント

この世の欲望(煩悩・執着物・束縛物)を断ち切り、(俗世を離れて)出家して遍歴し、欲望(煩悩・執着物・束縛物)の生活の尽きた(終わった)人、彼を私は<バラモン>と呼ぶ。

この世の愛執(愛着・執着)を断ち切り、(俗世を離れて)出家して遍歴し、愛執(愛着・執着)の生存(輪廻転生)の尽きた(終わった)人、彼を私は<バラモン>と呼ぶ。

(欲界の)人間の絆(煩悩・欲楽・執着の対象物)を捨て、(欲界の)天界の絆(快楽・執着の対象物)を越え、全ての絆(執着・束縛)を離れた人、彼を私は<バラモン>と呼ぶ。

<快楽(煩悩による一時の欲楽)>と<不快(執着を無くすことにももはや執着しない)>とを捨て、清らかに涼しく、囚われることもなく、全世界にうち勝った英雄(最勝利者・ブッダ・最後の生存となった者・輪廻転生の苦しみから完全に解脱した者)、彼を私は<バラモン>と呼ぶ。

生きとし生ける者の死生(諸行無常)を全て知り(悟り)、執着なく、よく行きし(良く真理を理解した)人、覚った(真理に目覚めたる)人、彼を私は<バラモン>と呼ぶ。

(欲界における)神々も天(天界の)の伎楽神(ガンダルヴァ)たちも人間もその行方を知り得ない人(輪廻転生の苦しみから完全に解脱した者)、煩悩の汚れを滅ぼしつくした(煩悩を完全に寂滅した)真人、彼を私は<バラモン>と呼ぶ。

前にも、後にも、中間にも(過去・現在・未来)、(どこにも)一物をも所有せず(無所有)、無一物で、何ものをも執着して取りおさえる(囚われる)ことの無い人、彼を私は<バラモン>と呼ぶ。

牡牛のように雄々しく、気高く、英雄・大仙人・勝利者・欲望の無い人・沐浴者・覚った人(ブッダ)、彼を私は<バラモン>と呼ぶ。

前世の生涯を知り(己の歩んで来た輪廻転生を知り)、また天上と地獄とを見(輪廻転生の苦しみを悟って)、生存を滅ぼしつくすに至って(煩悩を寂滅し)、直観智(四法印(諸行無常・諸法無我・一切皆苦・涅槃寂静)・四聖諦(苦諦・集諦・滅諦・道諦)の悟り)を完成した聖者、完成すべきことを全て完成した人(涅槃寂静に至った者)、彼を私は<バラモン>と呼ぶ。

合掌 九拝 より

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