江戸時代に各地を歩き、数々の木彫像を残した美濃生まれの僧侶、円空を絵本にした「円空その長い旅のはてに」を、関市の元小学校教諭堀野慎吉さん(61)が自費出版した=写真。「子どもたちに円空の生き方や魅力に触れてほしい」と話している。
円空は全国を行脚しながら民衆らに神や仏の像を彫り、その数は12万体にのぼるとされる。児童文学者でもある堀野さんは40年ほど前、新任教員として旧洞戸村(現関市)の小学校に赴任。近くの神社で円空作の仏像に触れ、「いつか円空について書きたい」と考えていたという。
その生涯に謎が多い円空。絵本では、仏教用語をかみくだいて表現し、母や父の面影を求めて旅をする姿を中心に描いたという。
絵本は45ページ、1200円。岐阜、関両市の小中学校などに寄贈した。購入などの問い合わせは堀野さん(0575・46・2087)へ。
朝日新聞 より