花巻市愛宕町の妙円寺住職、林正文さん(74)は、住職歴50年を記念し「非戦 平和を願う 住職日記」を出版した。日々の出来事とともに、平和な世界を次世代へつなぐ思いがつづられている。
林さんは23歳の時に同寺の27代目住職に就任。以来50年間、平和を願い、国連児童基金(ユニセフ)などさまざまな活動に積極的に取り組んできた。
8歳の時、父親を戦争で亡くした。父親の死後、女の和尚として本堂でお経を上げる母親の姿に「胸が締め付けられる思いがした。戦争を繰り返してはならないと強く思った」と語る。
住職日記は2008年に書きつづった1年間の日記と県内最初のユニセフ組織「日本ユニセフ協会花巻友の会」の活動、広島、沖縄を訪れた様子などを盛り込み、1年をかけてまとめた。
日々の生活を通して感じる命の尊さ。不戦や世界の子どもたちの幸せへの願い。取り組んできた数々の活動の記録が紹介されている。
林さんは「戦争の悲惨さと平和の大切さ、命の尊さを次の世代に伝えるのが私の仕事。この50年の集大成であり、戦争の犠牲となった親への恩に報いることでもある」と願いを込める。
千部を印刷し、県内の主な書店で販売している。A5判、357ページ。2千円。
【写真=本を手に「平和や命の大切さを伝えていきたい」と語る林正文さん】
岩手News