ホーム 仏教のスペース Alimentation 日本料理の定義

日本料理の定義

38
0

日本料理と「日本人が食べてきた食事」とは必ずしも一致しない。時代や社会階層や地域によって差があり、調理法も、古くから東アジア諸国、西洋などからの伝来を発祥とするものが多い。現在、日本人が食べている食事の中で、他国の料理としての度合いが強いものを除いた残りを「日本料理」と言うことが多い。

96.gif例えば牛丼や肉じゃがは、味付けに醤油や出汁、みりんなど日本特有の調味料を用いるから、日本料理であると考えられる。また、蕎麦屋、割烹などの日本料理店で出される料理でもある。しかし牛肉を食べる習慣は、「薬食い」と言われて江戸時代からあったものの、主に明治維新以来であり、既に130年以上の歴史があるものの「伝統」と呼べるかどうかは人により判断が分かれる。しかし、外国から見た場合、スキヤキや牛丼などの肉料理もまた日本独特であるから日本料理の範疇に入る。このように、食材にこだわらず、味付け・調理法が日本で発達したものをも「日本料理」と呼ぶのが一般的であろう。

ステーキ・ハンバーグのソースやサラダのドレッシングに大根おろしと醤油を使う場合もあれば、スパゲッティのソースとして明太子、たらこ、納豆、しそ、梅干しなどを使う場合もある。このような食事は、日本料理とはいわず「和風ステーキ」などと呼ばれるのが普通であり、この定義から言えば「恒常的に日本で食べられているもの」+「外国産の調理法」で「和風」という文字を冠するようである。

日本は韓国・ベトナム・カンボジア・タイなどと並んで歴史的に中国の食文化の影響を受けた国であるが、宋代以降の中国料理が大きく変化したこと、日本料理や他のアジアの料理がそれぞれ独自の発達を遂げたことにより、周辺諸国の伝統的な食事と、日本料理とは比較的区別がしやすい。

876.gif

http://www.sancre.com/teigi.html より

前の記事特別名宝展:五山文学の名宝、東福寺で一堂に 墨跡など展示
次の記事唯一の仏陀ーたくさんの学校