ホーム 仏教のスペース Société 仏頭すげ替えは著作権侵害、但し原状回復までは認めず、知財高裁

仏頭すげ替えは著作権侵害、但し原状回復までは認めず、知財高裁

48
0

images-37.jpg東京都文京区の光源寺にある観音像を製作した仏師の遺族が、頭部を無断ですげ替えられ著作権を侵害されたとして、光源寺と仏頭を作り替えた仏師を提訴していた訴訟の控訴審で、知財高裁は3月25日、著作権侵害を認め、すげ替えの経緯を説明する広告文の新聞掲載を命じる判決を下した。但し、一審が認めた頭部の原状回復は認めず、損害賠償請求も一審と同様に認めなかった。

問題となったのは、「駒込大観音」と呼ばれる高さ約8mの十一面観音菩薩立像で、東京大空襲で消失した像を、光源寺の依頼を受けた仏師らが1993年に再建した。しかし、檀家の一部から「目が怖い」などの苦情が寄せられたため、光源寺は制作者の仏師の死亡後、制作者の弟子が制作した頭部と取り換えていた。

知財高裁の飯村敏明裁判長は、仏頭すげ替えはやむを得ない改変には当たらず、一審同様に著作権侵害に当たると判断。しかし、元の仏頭は寺に保管されており、拝観も可能であることから、製作者側の名誉回復は広告掲載の措置で十分として、原状回復までは認めなかった。損害賠償請求についても一審と同様に退けた。

http://news.braina.com から

前の記事座禅のすすめ 
次の記事唐招提寺:新寺務所完成 最新設備備え、関係者ら祝う