骨董市を始めたころの様子は
チラシを歩いて配り、手弁当で始めた。約40店舗が出店し、身動きがとれないほど人が訪れ盛況でした。千葉寺は1300年前に開山した歴史ある寺で、境内に県指定の天然記念物のイチョウの木がある。重厚な雰囲気を醸し出しており、骨董類がよく似合う寺だと思う。
並ぶ骨董は
陶器などの焼き物や、家具類、古銭、着物、掛け軸などさまざまなジャンルから。私は日本と韓国の焼き物を扱っている。公共性の立場から、銃砲刀剣類やわいせつ物の販売はしていまません。現在は15店舗になりましたが、県内をはじめ福島からも業者が集まっている。毎月第3日曜の午前8時から午後3時ごろまで。今年の7月は千葉寺のお祭りと重なるため休市になる。
骨董市の魅力は
骨董品を介し、買い手と売り手の人間同士の駆け引き。このプロセスが面白いと思う。誠実さをモットーにしているので、買い手は品物の時代や産地、状態などをよく聞いて納得して購入してほしい。今では、昼時に店の人と常連客らが一緒に弁当を広げ、骨董談議に花を咲かす姿も。
骨董に興味を持ったきっかけは
子供のころから、古銭や切手を集めるのが好きだった。父の収集品の日本刀を見ていたことや、鳥取の焼き物「牛ノ戸焼」も身近にあった。今思うと、これが骨董好きのきっかけになったかもしれない。高校時代は小遣いをためて何度も夜行列車で京都へ行き、古道具屋を訪ね歩くのが楽しみだった。店先に無造作に並べられていた古伊万里の皿を若い母親が購入する光景を見て、古い物が生活の中に息づく京都に驚いた。会社勤めの際も、休日に日本全国の骨董市を見て回り収集してきた。昨年、思い切って会社を退職した。
これからは
寒くても暑くても季節を問わず通ってくれる人、雨降りの中でも足を運んでくれる人がいる限り、このままの状態で長く続けていきたい。休載していた機関紙「いちょう通信」を復活し、骨董情報の充実を図る。以前のように多くの人が訪れるように市を活性化させたい。千葉寺の散歩がてら、ぜひ骨董市をのぞいてみてください。
聞き手・渡辺洋子 より
毎日.jp から