仏教が流布すると、異民族の宗教であるという批判「夷夏論」も起こり、一時的な廃仏も数回行われます。
中国の仏教は、かなり早い段階から道教と習合した形になったこと、異民族王朝は、統治原理として仏教を採用・庇護する傾向があったこと、中華思想には、その確固とした基盤とともに、「異民族どもはいったい何を考えているんだろーなー」というある種の好奇心(?)も持っていることが、仏教の導入・発展に絡んでいると思っています。
中華思想の現れ(?)として、インドから中国に持ちこまれた経典(サンスクリット原典)がほとんど残っていない、という事柄があります。漢訳を終えたあとの原典は、当初はそれなりに気を遣って保存されていた(大雁塔は膨大な原典の保管庫)ようですが、結局散逸してしまったようです。原典の忠実な漢訳に細心の注意を払った姿勢からしてみると非常にズサンな印象を受けます。
中華思想に基づいたものか内輪モメかはわかりませんが、玄奘には渡来したインド僧を排斥した疑惑があります。
仏僧たちはともかく、王朝や文化人の基本的なスタンスとしては、とても対等ではなかったと思います。
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