お釈迦さまの説法や訓戒を生に近い形で記されていると言われるのがスッタニパータです。そういう意味では福音書に近いのかしらん?(福音書についてはよく知らないのですみません。)
文字に記録された形での経典はお釈迦さまが亡くなって100年ほど後から製作され始めたといわれており、リアルタイムの記録ではないですが、スッタニパータ以上に古い文献は残っていないという点で、重要なお経です。
少し読まれたとのことですが、中村元訳『ブッダのことば』岩波文庫(青301-1)ですか?
専門的な探求をされる場合は別として、この本の最後の「解説」部分(それほど分量は多くない)に目を通されれば、概略的なことは十分おさえられると思います。
中国には、一部が漢訳されて入ったらしいですが、全体が漢訳されることはなく、中国・日本の仏教には影響を与えていません。
また、スッタニパータを最古とする最初期の経典類(阿含経典)の中には、漢訳され中国に入ったものもありますが、中国・日本では大乗仏教が主流となったため「小乗仏教の経典」として、あまり重要視されなかったようです。
同じ経典といっても、大乗経典とは全く異なる味わい深い経典だと感じます。では。
聖書と仏教経典を相当させることが適当であるかどうかは、やや疑問です。
旧約・新約聖書やコーランなどは、創造主の言葉を記した啓示ですが、釈尊は絶対的なる創造主を特定せず、あくまでも自身による法(ダルマ)の目覚めであり、釈尊自身もその法を弟子の能力・特性に応じて、また弟子も「このように私は聞きました(如是我聞)」とその能力・特性によって伝えた自覚です。
さて、法蔵館より刊行されている『ブッダの教え―スッタニパータ』。こちらも目を通されてはいかがですか。真言宗智山派管長・名古屋大学名誉教授の宮坂宥勝猊下が、古代インドにおける宗教観・生活や文化・政治などの視点も交えた新訳ですよ。
okwave.jp/qa/q2140345.html から