中国政府が認定したチベット仏教第二の高位者パンチェン・ラマ十一世(20)=ギャインツァイン・ノルブ氏=が活動を本格化している。当局は内外に若い十一世を「浸透」させ、高齢の同仏教最高指導者ダライ・ラマ十四世(74)をけん制するとともに、ダライ・ラマ後継選びで主導権を握るのが狙いだ。
二〇〇〇年に死去した活仏デジュッブ五世の後継者を選定する儀式が四日にチベット自治区ラサのジョカン寺で行われた。パンチェン・ラマ十一世がくじを引き、転生(生まれ変わり)の候補二人の中からロサン・ドジェ少年(4つ)が選ばれた。新華社電は「手続きは政府の『活仏転生管理規則』に従って実施された」と強調した。
歴代パンチェン・ラマはダライ・ラマの死後、後継者選定に重要な役割を果たしている。このため当局はパンチェン・ラマ十一世の精力的な活動を伝え、権威付けを推進している。二月には中国仏教協会副会長や人民政治協商会議委員に抜てきした。五月には青海省地震の被災地を訪れ、六月には即位後初の説法を行った。
東京新聞 から