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寺と神社の雅楽 七夕の夜の共演

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1-59.gif7月7日の七夕の夜、南相馬市民文化会館で、寺と神社の雅楽グループが共演する。社会とのかかわりの中で芸術を事業としてとらえる「アーツマネジメント」を学んだ相双地方の市民ボランティアが企画し、両者を結びつけた。(田村隆)

 ●南相馬の市民ボランティア橋渡し

 主催するのは「アーツマネージメントの会」(遠藤嘉靖会長)。事務局を担当する衣装作家の中本友子さんによると、2007年の市文化振興事業団のアーツマネジメント講座を受講した30~70代の16人で結成した。

 会員の一人が地元に受け継がれる雅楽に着目した。200年余の歴史がある同市鹿島区の浄土真宗勝縁寺(しょうえんじ)では、本堂落慶を機に80年前から法要で雅楽を演奏している。

 一方、飯舘村の神社の宮司を中心とした相馬雅楽会も活動を続けており、アーツマネージメントの会は笙(しょう)奏者の東野珠実(とうのたまみ)さんに両グループを交えた演奏会を提案。昨年末から3回の勉強会を開き、勝縁寺に赴いて演奏を生で聴くなどして雅楽の知識を深めた。

 勝縁寺の湯沢義秀(ぎしゅう)住職(54)によると、浄土真宗本願寺派本山の西本願寺(京都市)では、声明(しょうみょう)とともに雅楽を修行僧に教えているという。勝縁寺には檀家(だんか)の若手による「仏教青年会雅楽部」があり、毎週2回、笙や篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)など伝統楽器の練習を続ける。

 七夕の演奏会で篳篥を吹く湯沢さんは「相馬雅楽会の名は知っていたが、このような話が持ち込まれなければ共演の機会はなかった。総勢25人の合同練習に熱が入ってきました」と話す。

 コンサート「雅楽へのいざない」は南相馬市原町区の市民文化会館で7月7日午後6時半開場、7時開演。東野さんによる雅楽の説明と演奏の後に質疑応答があり、続いて合同演奏がある。入場料は大人2千円、高校生以下無料。問い合わせは中本さん(0240-29-2041)へ。

 コンサートに先立ち6日午後6時からは、勝縁寺で東野さんを講師に迎え、雅楽演奏者のためのワークショップも開かれる。こちらは入場無料。一般見学が可能。

朝日新聞 から

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