19日にチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世を迎える善光寺(長野市)で、チベット僧が作っていた砂曼荼羅(まんだら)の完成式が16日、本堂で営まれた。直径約2メートルの円内に、善光寺の本尊でもある阿弥陀(あみだ)如来を配した浄土の姿を14色の砂で表現。参拝者は、鮮やかで繊細な仏教世界に見入っていた。
インドから来日したチベット僧10人が交代で今月1日から、本堂内陣の一角で制作。2メートル四方の木板に描いた下絵の上に、じょうご状のごく細い金属製の筒を震動させて中の砂を少しずつ落とし、幾何学模様のような絵柄を作っていった。
この日は完成の儀式として、チベット僧が砂曼荼羅の前で角笛や太鼓などを鳴らしながら約1時間、読経。その後、本堂前で骸骨(がいこつ)やシカのような面をかぶり、祝いの踊りを披露した。
19日には、ダライ・ラマが砂曼荼羅に魂を入れる開眼法要を営む。砂曼荼羅は法要を終えると崩すことが多いが、今回は今月末まで本堂内に展示した後、境内の史料館に移して公開を続ける予定だ。
信毎 から