チベット問題に関する写真展が4日から6日まで、高山市上一之町のギャラリー遊朴館で開かれる。チベット仏教の最高指導者、ダライラマ14世が亡命を余儀なくされたチベット動乱当時の貴重な写真などを紹介。企画したチベット仏教の僧侶、林久義さん(50)=高山市朝日町=は「平和の重要性を考える機会になれば」と話している。
林さんは、社会問題などを身近な問題として語り合う「飛騨高山車座会議」のメンバーで、「チベット問題は対岸の火事でない。高山の人たちにも関心を持ってもらいたい」と写真展を企画した。
展示するのは、チベット仏教の師で米国在住のタルタン・トゥルクさん(70)が所有する48点。うち30点はダライラマ14世の亡命時の写真で、インドへの亡命に同行する人たちや難民キャンプの暮らしぶりなど、当時の状況が克明に記録されている。林さんによると、亡命時の現存する写真はほとんどないという。あとの18点は、70年代のインドでのチベット民族の生活風景を切り取っている。
「(亡命は)51年前の出来事だが、今なおチベット民族の苦難は続いている。非暴力で頑張り続ける姿から得るものは多いと思う」と林さん。6日午後3時から林さんによるチベット仏教講座も開かれる。写真展とともに入場は無料。
これまで林さんはチベットの写真展を愛知県で2度開催。今後は長野県、愛媛県でも予定している。
(山下洋史) より
中日新聞 から