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輪王寺アースデイ

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地球の環境保護のため古里本来の森作りを目指すイベント「輪王寺アースデイ2010」(主催・未来(あした)を植えるプロジェクト実行委員会)が24、25の両日、仙台市青葉区北山1の輪王寺で行われる。境内にシラカシなどの苗木約700本を植樹するほか、同寺の日置道隆住職が考案したキャラクター森の精霊・緑の戦士「植樹マン」が登場する戦隊ショーやミュージカルを披露し、子供たちに緑の大切さを訴える。「仙台本来の森を取り戻したい」と植樹を続ける輪王寺の活動を紹介する。【垂水友里香】

「妖精になった気持ちで動きなさい」

「高橋裕子モダンバレエ研究所」(仙台市宮城野区)のスタジオで13日夕、舞踊団代表を務める高橋さんの厳しい声が響いた。14人のダンサーは鏡を見ながら自分の動きを確認。ピリピリした雰囲気の中でリハーサルが続いた。

演じているのは、日置住職が脚本を書いた戦隊ミュージカル「植樹マンスピリット」。「いのちの森」を作り出している植樹マンが妖精と一緒に、環境破壊を進める悪役と戦って心を入れ替えさせる--という内容だ。

「植樹マン」の誕生では、「みちのくプロレス」でマスクをつけたプロレスラーの強烈な存在感がヒントになった。「子供たちに喜んでもらえるし、メッセージも伝わりやすいと考えた」(日置住職)

7777.gif脚本には仏教観を取り入れた。悪役の名は「トンジンチー」。人間の心に潜む三つの毒、「貧(とん)(むさぼり)」「瞋(じん)(怒り)」「癡(ち)(愚痴)」から名付けた。「悪役が悪い心から解き放たれる姿を通して、100%善良でいることは無理でも、日々良い方向に成長することが重要というメッセージを込めた」と日置住職。

一方、高橋さんは「最初は『戦隊ミュージカルって何?』と受け止めたが、熱心に環境問題に取り組む日置住職の姿勢に共感し、引き受けた」と話す。せりふがないダンサーにも脚本を熟読させ、内容を理解させているという。

輪王寺は、仙台市の都市計画道路建設に伴うトンネル工事で、参道の杉並木430本の伐採を迫られ、植樹運動に乗り出した。「失われゆく自然を守るためにはどうしたらいいのか」。日置住職は、森林関係の本を読みあさり、植物生態学に詳しい宮脇昭・横浜国立大名誉教授の指導を仰いだ。

宮脇氏は輪王寺や周辺の植生を調査。シラカシなど約45種類の樹木が生育している結果を受け、参道に同じ植生の木々の苗を植える活動を始めた。04年から始めた植樹で、境内には約3万900本、近くの東北福祉大には約300本を植樹した。既に7メートル以上に育った木もある。日置住職は、ミュージカルを見た子供が、大人になっても植樹を続けてほしいと願っている。

「輪王寺アースデイ」は24日午後5時スタート。ミュージカルは同7時10分からと25日午後3時15分からの2回公演。問い合わせは輪王寺(022・234・5327)。

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