ホーム レッスン Textes fondamentaux 大蔵経

大蔵経

66
0

images-1-21.jpg一切経とか大蔵経と呼ばれるものは、発行された時期と国により収録内容が異なります。当初ものは掲載するお経の基準が厳格に決められていましたが、後世になると後の研究者の論文も数多く収録されるようになります。

日本の場合、最新版は大正新脩大蔵経たいしょうしんしゅうだいぞうきょうです。お経を歴史的な順序を追って分類し、2,920タイトル収められています。以下は大正新脩大蔵経を基にした話です。

まず、お経と聞いて思い浮かべるのは般若心経でしょう。

大蔵経には般若部という区分があります。代表的な般若心経だけで約30、関連したものも含めると約40、般若の名を含むものとなると約90タイトルあります。

この中で一番古いのは、道行般若経どうぎょうはんにゃきょうです。支婁迦讖しるかせんという人が西暦179年に翻訳しました。

おなじみの般若心経が作られたのは西暦500年代。訳した人は西遊記の玄奘三蔵法師げんじょうさんぞうほうしです。

お経の基本はお釈迦様が話されたことの記録です。

したがってタイトルの始めに”仏説”と付くものが多く、677あります。

この中で一番短いタイトルは4文字で3タイトルあります。そのひとつに、仏説数経ぶっせつすうきょうがあります。数学者の問いに対し、仏教の教えにも数学同様、順序、次第があると説いた話です。

逆に長いほうの一番は、仏説一切諸如来心光明加持普賢菩薩延命金剛最勝陀羅尼経ぶっせついっさいしょにょらいしんこうみょうかじふげんぼさつえんめいこんごうさいみょうだらにきょうです。このお経を49回、陀羅尼を10万回読めば長寿が得られる、とガンジス川の岸辺で説いた話です。

すべてのお経の中で一番長いタイトルは・・・・・

攝無礙大悲心大陀羅尼経計一法中出無量義南方満願補陀洛海会五部諸尊等弘誓力方位及威儀形色執持三摩耶慓幟曼陀羅儀軌 慓はフォントにないので代替しました。本来は偏が巾です。 

images-2-9.jpgしょうむげだいひしんだらにきょうけいいっぽうちゅうしゅつむりょうぎなんぽうまんがんふだらくかいえごぶしょそんとうぐぜいりきほういおよびいぎぎょうしきしゅうじさんまやひょうしきまんだらぎき
なんと55文字です。略して補陀洛海會諸尊住略出威儀形色儀軌、補陀洛海會軌、攝無礙経などと呼ばれています。

この長いタイトルのお経は密教部のお経です。印の解説と、息災・増益・降伏・敬愛・鈎召の五種類の祈願方法について説かれています。訳した人は不空 ふくう といいます。

四大翻訳家

不空は数多くのお経を翻訳していて165タイトルあります。翻訳数が100を超える人は、この不空と施護 せごだけです。施護は102タイトルです。
大蔵経に出てくる執筆者は約690名います。このうち64%の人が1タイトルで、10タイトル以上を手がけた人は7%です。

不空、鳩摩羅什くまらじゅう、玄奘、眞諦しんだい、この四人を四大翻訳家といいます。




前の記事懺悔文
次の記事妙法蓮華経 序品 第一