孔雀明王(マハーマユリ)は明王グループの中では珍しい女性神で、その名の通り孔雀の神と考えられますが、インドでは孔雀は蛇の天敵とされており、諸々の毒を取り除く神として崇められていたようです。孔雀の羽を持ち孔雀の上に座す美しき王者です。胎蔵界マンダラでは二臂、本尊になる時は四臂、この他仁和寺など一部に六臂のものもあります。
孔雀明王は明王の中で唯一優しい菩薩に似た顔(この顔には諸仏一切の力を持っているという悟りの表情をあらわしています)をしているために、仏母大孔雀明王・孔雀王母菩薩とも言われています。元々インドでは孔雀は毒蛇を食してくれる守護的存在であるために、一切の諸毒から護ってくれる力があると信じられてきました。その力を神格化したのが孔雀明王です。その手に持たれている蓮華は敬愛・倶縁果は気力を増す事から増益・吉祥果は降伏・孔雀尾は息災を表しています。
真言オン・マユラ・キランデイ・ソワカ。種子バン。