茅野市玉川の俳人、原天明さん(75)から俳句を教わる諏訪地方の門下生が、同市ちの上原の頼岳寺境内に原さんの句碑を建て、6日、落慶式を開いた。俳句歴57年になる原さんの活動をたたえる証しでもあり、原さんは「夢のよう」と喜びを表した。
完成した句碑は高さ1・2メートル。茅野市産の黒光真石(こくこうまいし)製で、原さんが30年ほど前に詠んだ「ゆく秋の水は己の音に澄む」という句が刻まれた。季節の移り変わりと同じように、人の心も、物事を考える中で澄んでいく-といった意味という。落慶式には門下生約70人が出席し、句碑の完成を祝った。
10代のころから俳句を学び始めた原さんは、市職員だった1958(昭和33)年に俳諧誌「雲母(うんも)」の同人となり、飯田蛇笏(だこつ)・龍太父子に師事した。諏訪地方の公民館などで教えてきたほか、20年前からはNHK学園(東京)の通信教育で俳句の添削を担当。現在は15カ所の教室で指導する。
長い活動を顕彰しようと昨年12月、門下生の今井健彦さん(83)=諏訪市高島=らが発起人となり、資金を出し合って句碑の建立を決めた。3年ほど前、仏教の教えを歌にした「和讃」を原さんが書いて収めた縁で同寺に句碑を建てることになった。
(提供:信濃毎日新聞)