仏陀とは、目覚めたものの意で、本名はシッダールタ・ゴータマといいます。
彼は生まれた時から聖人だったわけではなく、私たちと同じに悩み苦しむ人間でした。王族に生まれ、何不自由ない暮らしをしながらも、なぜこの世には生老病死があるのかという疑問が頭を離れず、真理を追究したいという想いに駆られ、妻子を捨てて出家します。
そして苦行の末、ようやく真理に辿り着きます。
ここに私は人間の救いを見るのです。仏陀も私たちと同じ悩みを抱えた人間だったという事実は、私たちも仏陀のように悟りを得ることが出来るのかもしれないという大きな希望を抱かせてくれます。
やがて目覚めた仏陀は自分が悟った真理を人に布教してまわります。
仏陀はきっと後世に生きる人間が同じように悩み苦しむことをわかっていたのでしょう。そしてそれを救う為に、教えを説いてまわりました。そうして語られた言葉は、後に書物として書き留められ、今を生きる私達の手元にも届けられています。
2500年もの時を経て、仏陀の言葉は今なお後世の人間を導いてゆく…。私はいつもそこに大きな感動を覚えます。
法句経の教えは次のようなものです。
私たちの想いが全てを作り出している。心が世界を作り出す。だから心を整えよ。穢れた心は悪を生み出し、清らかな心は善を生み出す—。
星玲子の父が教えた糸車の法則ですね。
しかし糸車の法則は頭ではわかっていても、我が身を振り返って反省してみるとなかなか実践するのは難しいものですね。(苦笑)
しかし、この法則が物理学や心理学が説いている法則と同じであることに気づいたとき、愕然としました。
私自身、仕事で成功するにはどうしたらいいのか、どうすれば幸福になれるのか、もがき悩み苦しみ、成功哲学や物理学・心理学の本を読みあさりましたが、結局最後に辿り着いたのは、仏教の世界でした。
ボーアやハイゼンベルクら20世紀の量子物理学者達が発見したこと、フロイトやユングら心理学者達が唱えていること、ナポレオン・ヒルやチャールズ・ハーネルらビジネス界の成功者達が成功哲学の分野で唱えていること、それらが全て2500年前に仏陀が説いたことと同じであることを知った時、人間の叡智の素晴らしさに感動と感謝の涙が溢れました。
仏縁というものがあるのなら、私は確かにその縁に導かれたのでしょう。そして今生でその縁を結んでくれたのは佐々木丸美さんの作品群でした。
『水に描かれた館』には、次のようにあります。
「ニーチェやフロイト、ユング、哲学者や精神分析者たちは、自らの研究が東洋思想の仏教にたどり着くことに驚嘆していた。詩人リルケも、文豪ゲーテも、仏陀の教理に近づいている。人間が人間として目覚めるところは結局万人共通なのだろう。」
法句経の第一章第一句には、このようにあります。
人は心に思うものになる。
あらゆるものは、心に思うことから生じ、思いによって世界は創られる。
量子力学は人間の意識が物質を生み出すことを解き明かしつつあります。心理学は潜在意識が現実を生み出すことを教えています。
仏教・科学・心理学、異なる学問が全て同じ真理を教えていることに、深い感動を覚えずにはいられません。
この真理を理解し、実践したときに初めて人は幸福になれるのでしょう。そのために仏陀は八正道といって、真理を会得するための8つの方法を説きました。(正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定)
—私はただ人の生きる道を語る者である—
祇園精舎に響く仏陀の声が聞こえてきそうです。
佐々木丸美さん より
blog.goo.ne.jp/kazahananosato/e/9e574a4b52793eaf3ad09e201acd85e7 から