南北朝から戦国時代にかけて津地域を治めていた長野氏の処刑場跡とされる津市美里町北長野の市文化財「鎮恩(じおん)さん」で9日、供養まつりがあった。
処刑された人の霊を慰めようと戦後、ほこらに地蔵を納めた。手入れが行き届かずしばらくは荒廃していたが、4年前から保存会の住民が中心となり、釈迦(しゃか)の誕生を祝う「花まつり」と兼ねて営んでいる。
約50人が参列し、近くの常照寺の知足克子住職がほこらの前でお経をあげた。その後、花を飾り付けた「花御堂(はなみどう)」の釈迦像に甘茶をかけた。
保存会の西谷益雄代表(80)は「子どもたちに鎮恩さんの文化を知ってもらうため、供養を続けていきたい」と話していた。
鈴木龍司 より