絵画、焼き物も計250点
県立土屋文明記念文学館(高崎市保渡田町)で6月20日まで、企画展「水上勉の世界-癒(いや)し・温もり・鎮魂の文学-」が開催されている。文学作品だけでなく、絵画、書、焼き物なども展示し、作家・水上勉さんの多才な人間像に迫っている。
水上さんは1919(大正8)年、福井県に生まれた。10代に京都の寺で小僧として修行した後、さまざまな職業を遍歴しながら執筆活動に入った。61(昭和36)年に「雁の寺」で直木賞を受賞。その後、「飢餓海峡」で社会派推理小説作家の地位を不動のものにし、社会の底辺でひたむきに生きる人々を描いて日本人の魂の本質を問いかけた。また、劇作や歴史小説、伝記文学などさまざまなジャンルの作品を発表し、04年9月、長野県の仕事場で85歳で亡くなった。
同展では「雁の寺」の原稿(複製)や谷崎潤一郎さんが水上作品を高く評価した「『越前竹人形』を読む」の原稿など文学関係の資料に加え、水上さんが制作した絵画、書幅、焼き物など計約250点を展示している。
6月13日午後2時~3時半には、水上作品を数多く上演してきた劇団文化座代表の佐々木愛さんが「水上勉先生のこと」と題して講演する。申し込み先着100人。
火曜休館。午前9時半~午後5時。一般400円、大学・高校生200円、中学生以下無料。問い合わせは同館(電話027・373・7721)へ。
増田勝彦 より
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