大夜念誦は尊宿に対する仏事の一。出喪の前夜(大夜)に念誦して尊宿を供養すること。
現在の『行持軌範』では、面山瑞方師の『僧堂清規』巻5の影響を受けて次のような差定となっている。
対真小参に引き続く場合には、小鐘一会にて大夜導師が進前し、維那は大夜念誦を唱える。その文は次の通りである。
大衆に白す、新般涅槃当山ー世某甲大和尚、已に真寂に帰す。是の日已に過ぎぬれば、命も亦随って減ず、少水の魚の如し、斯に何の楽しみか有らん。衆等当に勤めて精進して頭燃を救うが如くすべし。但だ、無常を念じて、慎んで放逸なること勿れ。恭しく大衆を集め、肅んで龕帷に詣して、万徳の洪名を誦持し、為に覚路を増崇し奉る、仰いで大衆を憑んで念ず。〈大衆は十仏名を唱える〉
終わって、導師が焼香、献茶湯するや、維那は『大悲心陀羅尼』を挙経して、読経する。回向は次の通り。
上来、念誦して茶湯を献備し、諷経する功徳は、新般涅槃当山ー世某甲大和尚の為にし奉り、真位を増崇せんことを。
回向終わって大衆は略三宝を唱え、普同三拝し散堂。ここで一日目の行持が終わるため、弟子・法類などは謝拝する。翌日は起龕から始まる。
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