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浄土宗と浄土真宗

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jingtu-2-2.gif平安時代も後期になると、末法思想が人々に広がりました。末法思想とは、お釈迦さまの教えが時代とともにすたれ、世の中が乱れるというものです。ときは源平合戦の真っ最中。戦乱の中で、人々は不安な日々を送っていました。そんななか、浄土宗が生まれたのです。

 浄土宗は、法然が開いた宗派です。教えは分かりやすく、「南無阿弥陀仏」と唱えれば、阿弥陀如来の力で救われる、というものです。それまでの仏教は、難しい経典を読んだり、きびしい修行をしなければならなかったので、身分の高い人や僧だけに広がっていたのが、浄土宗によって、民衆にも開かれるようになりました。

 法然が「阿弥陀如来の力に頼りなさい」と説いたのは、どんな人間にも、その力には限界があると考えたからです。若いころから経典を読みこんだ法然が、30年におよぶ修行のすえ、出した結論でした。ちなみに、それまで修行の脇役でしかなかった「念仏」を主役にしたのは、法然が最初です。

法然の浄土宗を、自分なりに解釈したのが浄土真宗を開いた親鸞でした。jingtu-1.gif師匠の法然が、阿弥陀仏を信じて「念仏をとなえる」ことを説いたのに対し、親鸞は、「阿弥陀仏を信じる心があれば、それだけで救われる」というものでした。さらに親鸞は、出家しなくても等しく阿弥陀如来によって救われると説き、自らも家庭を持ったり、肉を食べたりして、いわゆる「在家仏教」を実践しました。

浄土宗や浄土真宗などは、阿弥陀如来の力を借りて救われよう、ということから「他力本願」の教えといわれます。これは、自分は何もしないで阿弥陀さまにすがるということではなく、「自分のできる限りのことをして、どうしてもできないことを阿弥陀如来にすがろう」というものです。自分の無力さを自覚することから信心がさだまるという考えから生まれました。

 

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