ホーム 仏教のスペース Bouddhisme ブッダの悟り

ブッダの悟り

46
0

ブッダの悟りとは、生命は何度も生まれ変わっていく。今であった生命は過去に何らかのかかわりがあったものたちであることがわかり、すべてのものへ慈しみの心を覚えた。

  また、すべてのものは寿命のある肉体から切り離され、なんども生死を繰り返しているのに過ぎない。そして、今、人間であると無視であるとか、苦しい人生とか平和な人生とかは過去の因縁によるもので、過去の行いにより刻々と次の状態は変化している。つまり「誕生」も「死」も一過性のものである。すべてのものはいつも同じではなく(無常)、固定的ではない(無我)、それに気づかない状態(無明)であるから苦しむのだ。これを悟れば苦しみから解放され、もう生まれ変わりを繰り返さなくなり、永遠の幸せ、不動を得る。というもの。 

  これを勝手に解釈すれば、つまり、「因果応報」「諸行無常」に気づけばいいということ。ただ、物理的にいえば、絶えず変動する活性状態から完全な平衡状態になることを意味しており、それは「永遠の幸せ」なのか「完全なる死」なのか解釈の違いかなと想ってしまう。

  さて、話を戻すと、はじめ、ブッダ(悟りを開いたゴータマシッダルタ)は「こんな難しいを言ってもどうせ誰もわからないから私だけさっさと入滅してしまおう」と考えたらしい。しかし、あわてた神、梵天が3回もみんなに悟りをくよう勧めてついに心変わりに成功した。

  ブッダは最初の説法は2人の師匠にしようと想ったが、ふたりともすでに鬼門にはいっていたので断念。次にともに苦行をしていた5人の仲間に説こうと考えベナレスへ向かった。

014.gif
ベナレス、サルナートでの初転法輪

ブッダは中道の精神、八正道、すなわち「正しい見解(正見)、正しい思惟(正思)、正しい言葉(正語)、正しい行い(正業)、正しい生活(正道)、正しい努力(正精進)、正しい自覚(正念)、正しい瞑想(正定)」をすることを説いた。また四つの心理(四諦)

すなわち、「生まれるという苦(生苦)、老いるという苦しみ(老苦)、病気になるという苦しみ(病苦)、死ぬという苦しみ(死苦)」に加えて、いやな人に合わなくてはいけない苦しみ(怨憎会苦)、愛するもの達と離別しなくてはならない苦しみ(愛別離苦)、欲しいと思っても得られない苦しみ(求不得苦)、執着心によって起こる心と身体に対する苦(五蘊盛苦)という四つの苦をあわせた。

 八つの苦しみ(これらを四苦八苦という)が人生にはあり、それから逃れるためには欲望をあきらめるという心理(滅諦)があることを説いた。

 これを初転法輪(しょてんぽうりん)言う。その後、5人も悟りを開き、仏教修行集団(サンガ)ができた。

  サルナートには博物館があり、インドのコインの原型となった獅子の像がある。

ブッタマメ知識 より




前の記事如来蔵思想 
次の記事催馬楽(さいばら)