ラオスはタイとベトナムの間にある蓮の花が開いたような形をしている国で正式名を「ラオス人民共和国」という。
ベトナム人気に見られるようなインドシナ半島の国々へ注目度が高まっている最中にあって、この「ラオス」以上に「秘境」というは言葉が一番似合う国は他にない。誤解しないで頂きたいのは、ベトナムやミャンマ−にも我々にとって秘められた部分が多いのを前提に、このラオスにいたっては歴史的・文化的に関わりが低いこと、ともかく「ラオス」と言われて我々が知っている情報があまりにも少ないという意味で、ラオスがインドナ諸国きっての最後の秘境と言いきるのである。
ラオス正月・ピ−マイラオは毎年4月中旬に3日間に渡って行われる。世界文化遺産ともなっているランサ−ン王国の王都ルアンパバ−ン(ルアンプラバン)にはそのラオスらしさをそのままの雰囲気がふんだんに盛込まれた家族や町を上げてお祭りである。
このルアンパバ−ンは別名「仏の郷」といわれ街の中には約80箇の寺院が点在する。その為、ルアンパバ−ンでは毎朝の様に托鉢の僧侶が列をなして街中を練くのは日常の風物詩となっている。
町のほとりにはメコン川が悠々と流れラオ族、カム−族、モン族がそのほとりで生活している。彼らのうち有るものは半農半漁、紙漉、機織り、焼き物など村ごとに様々な方法で生活を営んでいる。心やさしい人々がメコン河の流れの様にゆったりとノンビリと暮している。さて、そんな人々の暮しが息づくルアンパバ−ンのピ−マイラオの風物詩の様子を紹介しよう。
1日目
この日は大晦日に当り、早朝7頃から午前中まで新年を迎える為の全長約700メ−トル「巨大マ−ケット」が開かれる。ここでは、日曜雑貨並びに日本でいう注連縄にあたる「八支の旗(ト−・プン)」など正月ならではの品々が売られる。また、それぞれ軒先では仏壇の仏様や仏具を水で洗い清め陰干しをする。信仰心が厚いこの街のいたるところでその光景が見られる。
午後2時頃にはメコン川の辺で「ド−ン・サイムンクン」と言われる砂を円錐形に盛り上げた「手作りの仏塔」をつくり、その仏塔に市場で買った「八支の旗(ト−・プン)」を立てたりしてる。その傍らでは、「ボ−イサット」と呼ばれる徳行(魚の川に流したり、鳥を空に放つ)をしている人がいたり、日が沈む迄「舞え」や「謡え」のお祭り騒ぎとなる。
2日目
午後iには大僧正が乗った車を先頭にに50数名の僧侶が歩く名物のパレ−ドが行われる。人々はまってましたと言わんばかりに僧侶に水を掛ける。所謂これが「水掛け」である。その後に、ラオス版の獅子舞「プ−ニュ−」「ニャ−ニュ−」の登場。「プ−ニュ−」「ニャ−ニュ−」は赤い大きな丸い顔で大きな口と目でユニ−クな顔が踊りながら練り歩いて行く。
3日目
午前、人々は托鉢様に喜捨するお供物を用意し服装を整えて寺院へと向かう。お寺では僧侶が新年を向かえるお経を唱え、人々も一緒にお経を唱和する。その後、僧侶の読経が続くなか本堂に並べられた托鉢用の鉢に喜捨をしてゆく。お供物はお金、もち米、おかず、お菓子の順番に入れて行く。午後、先日と逆方向にパレ−ドが行われる。
4日目
この街の名前の由来なっているご本尊の「パバ−ン仏」がご開帳される。普段はこの仏は特別室に保管されていることもあり滅多に見ることができない。
この「パバ−ン仏」をワットマイの本堂へと奉納する為に僧侶が行列をなして行進する。この行進は古式ゆかしい伝統に乗っ取って運ばれ、ワットマイに安置された「パバ−ン仏」にロウソクや花器を捧げる。
以上のような正月を終え彼等はまた普段の生活へと戻って行くのである
http://www.mmjp.or.jp/ANC/etc/clum/clum01.html から